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旅行今夜は妙に暖かく、オレンジ色の月が夜空に貼りついています。
椿・木瓜・梅などが一斉に満開で桜も咲きました。
寒すぎる冬がようやく終わり、春になりました。

雪の降りしきる2月に鳴子温泉へ行きました。
雪景色を趣味の写真におさめたかったのです。
肉眼でもハレーションをおこしているようにみえ、
雪は露光量の調節に苦労しました。
重い一眼レフカメラのセットをカメラバックに収めて、
ホテルから歩ける範囲を歩けるだけ歩き廻りました。
そして雪まみれでホテルに帰るのですから、
フロントの方も「物好きだな」と思っていたことでしょう。
温泉街では歩いている観光客もおらず、
こんな雪の日は雪見露天風呂でゆっくり寛いでいるのが
普通かしらと思いました。
4日間の鳴子温泉でしたから、温泉街とその周辺を歩きつくしてから、
鳴子渓谷まで足をのばしました。
北羽前街道、国道47号線を江合川を右に見ながら中山平方面に歩きました。
奥の細道湯けむりラインの2両編成の電車が時折走っていました。
鳴子峡谷は冬季間閉鎖で少しがっかりしましたが、
峡谷入り口までの無垢な雪景色を堪能しました。
鳴子峡谷入口の橋の近くに「こけし」の工房がありました。
「こけしの菅原屋」
泊まっているホテルで見た鳴子のこけしの作者が同じ名字でしたので、
そしてそれが優しさと懐かしさに包まれた素晴らしいものでしたので、
あのこけしの作者に逢ってみたいと思いました。
菅原屋さんのお店に入ると、やはりあのこけし達がずらっとありました。
私が宿泊しているホテルの名を言うと笑顔で会話がはずみました。
お店の中を案内して下さったのはもちろんですが、
工房の中も案内して下さいました。

鳴子のこけしは首を回すとキュッキュッと音がします。
郷土玩具と呼ばれるものもつ、哀切な響きがしました。
首の鳴るこけしは、ここ鳴子だけだそうです。
水木・山桜・槐材(えんじゅ)を材料として木地から作ります。
その工程を見せて下さいました。
語る程にほとばしる「こけしへの愛」
愛としか言葉が見つからない熱い思いを語って下さいました。
創作する過程を見せて下さいました。
伝統工芸士の方の、柔和さの中に強く見開かれた目は鋭く、
技だけではない何ものかに私は強く魅かれました。
その姿をファインダー越しに捕まえたいと思い、
カメラでの撮影をさせて頂きたいとお願いしました。
私の腕では、その気魄の一片も切り取る事ができたか・・・。
書でも絵でもそうですが、
私をかりたてるのは何時も、感動なのです。


日本人が日本人として、普通に、ささやかに、真摯に、
このことを忘れないで生きてゆかなければと思いました。
お土産に、槐(えんじゅ)材で出来たこけしを買いました。
槐材は希少で生産量も全体の約5%にしか過ぎないそうです。
木肌の白い水木がほとんどになっているそうです。
この色黒のお人形さんは、古色を帯びていて雰囲気があります。

私もこけしの絵付け体験をしました。
水木材で、ペン立てになっています。
仕上げに和蝋燭でつやをだしてありますので、
布で軽く拭いていけば30年後には、槐の色艶になるそうです。

お人形を寂しがらせないで下さいと言われましたので、
槐のこけしは「和ちゃん」と名前を付けました。
ご参考までに菅原屋さんのホームページをご紹介します。
経済産業大臣認定伝統工芸士のお店です。
http://www.vega.ne.jp/~kokeshi/